放射線病理診断科

放射線診断室

  • 放射線診断室では歯や顎など口の領域を中心としたレントゲン写真やCTなどの画像診断を行います。直接、患者さんに接することは少ないですが、病院内の診療科や診療センターから依頼された画像を専門の読影室で診断しています。
    これらの画像や他の病院、歯科医院などから紹介され、お持ちいただいたレントゲン写真やCT、MRIなどの画像も含め、より正確な診断を目指して担当医とともに検討会も行っています。
    また、一般の歯科医院、歯科診療所などからの撮影依頼もお受けしております。現在のところ、放射線診断室では矯正歯科治療のためのレントゲン撮影、インプラント治療のためのCT検査などを主体にお受けしておりますが予約制となっておりますので、受診している歯科医院の先生とご相談のうえ事前に予約をお取りください。

撮影依頼をご希望の医療機関の方へ

撮影、検査を希望される方は放射線診断室宛てに電話で予約をお取りください。矯正歯科、インプラントなどの撮影、検査は自費となります。下記の事項をご覧になり、患者さんにご説明ください。

X線撮影の依頼

  1. 放射線診断室宛てに電話で予約をお取りください。
    医員が診療中や不在などの場合には、留守番電話になることがありますので、お手数ですがお名前、メッセージ、連絡先をお入れください。
  2. 患者さんには依頼状等をお渡しください。
  3. 予約時間の10分程度前に来院し、1階の総合受付で手続きを行ってください。
  4. X線写真はご本人にお渡しするか、ご依頼元医療機関へお送りします。
  5. 撮影料のほかに初診料または再診料がかかります。
電話 03-3261-6168(直通)
初回相談料(初診料) 3,300円
診察料(再診料) 1,100円
撮影料(1枚につき) パノラマX線撮影:6,050円
頭部X線規格撮影:5,940円

歯科用コーンビームCT検査の依頼(インプラント用検査など)

  1. 放射線診断室宛てに電話で予約をお取りください。医員が診療中や不在などの場合には、留守番電話になることがありますので、お手数ですがお名前、メッセージ、連絡先をお入れください。
  2. 患者さんには依頼状等をお渡しください。必要とされる検査対象部位の記載をお願いいたします。
  3. ステントや直近のパノラマX線写真があれば、患者さんにお渡しください。
  4. 予約時間の10分程度前に来院し、1階の総合受付で手続きを行ってください。
  5. 検査には20分程度の時間がかかります。
  6. 検査後、数日~1週間後に結果資料をお渡しいたします。
    ※お渡しする結果資料は、CD-R、画像報告書等です。
    ※CD-Rへのデータは原則として、画像観察ソフト(Viewer)付ボリュームデータです。
    ※Microsoft Windows XP SP2以降のOSシステムでご覧になれます。(一部ご覧になれない場合があります。)
  7. 検査料のほかに初診料または再診料がかかります。

<ご注意>
コンピュータをご使用にならない場合には、一般CT装置による撮影となり、フィルムでの結果報告となります。 検査料金も異なりますのでご相談ください。

電話 03-3261-6168(直通)
初回相談料(初診料) 3,300円
診察料(再診料) 1,100円
歯科用CT検査料 1部位(1/4顎または7歯相当部):15,400円
2部位以降、部位を増すごとに7,700円加算

お問い合わせ先

トラブルを避けるため、料金、検査部位など患者さんによくご説明ください。
ご不明な点がございましたら、下記までお問い合わせください。

日本歯科大学附属病院 放射線診断室
電話:03-3261-6168(直通)/ 03-3261-5511(病院代表)

病理診断室

病理診断室とは?

  • 病理診断室は、安全で質の高い医療を実現するために、そして患者さんが適切な治療を受けていただくために必要な「最終診断(病理診断)」を提供する部署です。
    わたくしは、直接患者さんと顔を合わせたりすることはほとんどなく、治療行為をすることはありません。しかし、臨床検査室の病理検査担当のスタッフの協力のもと、癌の診断など、診断や治療方針の決定などに重要な役割を果たしています。

    常勤医2名(内 口腔病理専門医1名)

病理診断業務

患者さんから手術、試験的切除などで採取された組織、細胞を顕微鏡で観察し、病変の性格(疾病の原因、広がり、機序、病期、予後など)について詳しく調べることです。その検査方法には細胞診検査、病理組織診検査、特殊染色検査、免疫染色検査があります。

1. 細胞診検査

  • 細胞診はがん発見のためのスクリーニングを目的とした「病理組織診」以前におこなう診断方法で、患者さんへの侵襲を最小限に抑えておこないます。病変と疑われる部分を擦過、あるいは粘膜の下に生じた病変であれば穿刺して細胞を採取します。この中にがん細胞が混在していないかを調べます。

    右写真:
    細胞診検査 核/細胞質比の増大を示す異型細胞の集塊

2. 病理組織診検査

試験的に切除された組織から診断する「生検診断」と、手術的に切除された臓器から診断する「臓器組織診断」があります。生検診断はその後の治療方針を決定するうえで重要な役割を果たし、臓器組織診断は切除範囲が妥当であったか、追加化学療法等は必要か、予後はどうかなどの情報を提供します。

その他の業務としては、臨床診断、画像診断、病理診断、治療法が適切におこなわれているか、臨床医と病理医で総合的にディスカッションします(症例検討あるいはCPCとも言われています)。1例1例の貴重な経験を将来のより良い診断・治療に繋げられるように努力しております。

3. 免疫染色検査

ある細胞が特異的な蛋白を産生し、それを組織切片上で抗原抗体反応を利用して検出する方法が免疫染色です。この方法を利用して、がん細胞の特定やその悪性度を調べ、病理診断の確定やその患者さんの手術後の治療の必要性について判定しています。
例えば、上皮の細胞質内ではサイトケラチン(CK)という上皮特有の分子が作られており、上皮の種類によって20種類(から30種類ともいわれる)ほどの異なる蛋白が知られています。健常部の口腔粘膜上皮ではCK13という分子が産生されていますが、上皮が癌化するとCK13は消失し、その代わりに健常部ではみられないCK17という分子が作られます。早期の口腔粘膜癌は通常のHE染色標本だけでは判定できないものが多く、この免疫染色が必要とされています。当院では早期癌が疑われた場合6種類以上の抗体を用いて免疫染色を行い、癌か癌ではないかを総合的に診断しています。

また、当院では免疫染色の染色精度を一定に保つために、自動免疫染色装置を使用しています。

  • 右写真:
    頬粘膜上皮内腫瘍(Tis癌)。上段2枚がHE標本(通常、病理診断に用いられる染色標本)。
    下段3枚が免疫染色標本(左から、抗Ki-67抗体〔細胞増殖能マーカー〕、抗CK13抗体、抗CK17抗体)。

    臨床的には「癌疑い」として切除された検体で、病理組織検査で、「まだ結合織内に浸潤していない癌(上皮内癌)」と診断された。

4. 特殊染色検査

組織の特定の構造、成分(多糖類、鉄、膠原線維など)をより詳細に観察するために特殊染色がおこなわれます。また、粘液産生の有無、細菌や真菌など微生物の存在確認、癌細胞の脈管侵襲を評価する場合などにも用いられます。

病理診断と患者さん

病理診断は治療法の選択に大きな影響をおよぼし、診断の間違いは許されません。したがって、検体受付から標本作製,診断書作成にいたる全行程の精度管理には細心の注意を払っております。診断根拠となったプレパラートについては永久保存され、いつでも見直せるようになっています。また、診断が困難な場合はその分野の専門医へのコンサルテーションシステムを確立し、患者さんに不利益がおよばないように努めております。