心療歯科診療センター

心療歯科診療センターの概要

日本歯科大学附属病院 心療歯科診療センターは、歯科的な症状の発症(発現)に、精神的な問題が疑われる症例(患者さん)の診断・治療・方向付けを目的として、歯内療法(歯の神経の治療)、補綴(金冠、ブリッジ、入れ歯)、口腔外科(口の中の手術や、舌や粘膜の病気の治療)、歯周病(歯肉炎や歯周炎、いわゆる歯槽膿漏の治療)の医員、専門家が集結し、チーム医療を目指し、1998年(平成10年)4月に全国で初めて設立されました。

診療の流れ

  • 治療の流れとしては、まず、よくお話を伺います。
    必要によっては、症状に対するアンケートや、質問形式の健康調査票を記入していただきます。

    また、レントゲン撮影や、お口の中や、お口の周りのさまざまな検査をおこない、それらのデータを基に「除外診断」をおこない、歯科的な治療で症状が改善する可能性があるかどうかを判断します。
    除外診断とは、疾患(病気)を消去法的に診断することをいいます。

    身体疾患(実際の体の病気)が否定されてはじめて、「精神疾患による身体症状」であると確定することができます。
    しかし、除外診断をおこなうには、症状の原因となる可能性のあるものを一つずつ除外していかないといけないので、非常に時間のかかる場合があります。

    そして、全身疾患を含めた総合的な診断とともに、当センターで治療可能な場合は歯科治療と心身医学的治療とを併行させ、時には精神科や心療内科とのリエゾン(連携)もおこない、治療を進めていきます。

    また、当センターはあくまでも「歯科」なので、「うつ病」、「統合失調症」や「不安障害」などの精神疾患(病気)の治療をおこなう診療科ではありません。ですから、歯科的に問題のない場合や、歯科的に問題はあるものの、歯科治療だけでは治癒の見込み(治る見込み)のない場合は、精神科や心療内科での治療や、精神科や心療内科に受診しながら当センターで歯科治療をおこなっていくことをおすすめしています。

受診(紹介)されるにあたって

初診時はお話を伺うのに、非常に時間がかかります。前もって電話で予約をしていただくと、充分なお時間を取ることができます。

予約電話番号 03-3261-4751

※予約がないと、充分なお時間が取れなかったり、長時間お待たせすることがあります。

当センターで扱う代表的な症状

舌の痛み 歯医者でなんでもない、問題はないと言われたのに、やはり痛む。
口臭 他人に口臭があると言われたわけでもないのに、自分では口臭が気になる。
歯医者に行って口臭はないと言われたのにどうしても気になる。
唾液の異常感 唾液が出過ぎて困る。または、唾液が出なくて困る。
ネバネバする。
変な味がする。
慢性の痛み 激痛ではないが痛みがずっと続いている。
歯医者へ行っても原因がよくわからない。
日常生活に支障を来している。
口の中の違和感 口の中に何か変なものがある。
それは目に見えないが、何か感じる。
摂食障害の方 歯がしみる。
治療を繰り返すが、また悪くなってしまう。
歯医者でなかなか理解してもらえない。

センター員

歯科医師 10名(うち女性歯科医師2名)
歯科衛生士 4名

研修・学会活動など

年に4回程度、病院内のスタッフ向けに、イブニングセミナーを開催しています。
日本歯科医学会、日本歯科心身医学会、日本心身医学会などで症例発表や研究発表をおこなっています。
センター員は交代で1年間、日本医科大学附属病院の精神神経科で勉強させていただいています。

所属専門学会

日本歯科心身医学会
日本心身医学会
日本障害者歯科学会 など