生理学

所属構成員等

教授 佐伯周子 博士(医学)
准教授 肖 黎 博士(医学)、博士(生物学)
講師 井出良治 博士(歯学)
助教 橋爪那奈 博士(歯学)
客員教授 小林菊生 歯学博士
非常勤講師 加藤健一、萩原和明、福田智英、山田好秋、小林則之、河内嘉道、平島潤子、池田水脈、吉田清輝、角井 淳、牧野真也、牧野尚子、岩崎浩介、牧野路生、原 紀文、北島躍一郎
事務職員 大岡実菜
大学院生 中村瑛史、穴井 慶(口腔外科学)、久保田日向

研究テーマ

脳幹-脊髄標本を用いた“呼吸-咀嚼/嚥下機能相関”についての解析

In vitroの脳幹―脊髄標本を用い、顎運動と呼吸運動の指標に各々延髄の三叉神経運動枝と脊髄の横隔神経運動枝から神経活動を吸引電極で細胞外記録して解析することにより、呼吸機能と咀嚼/嚥下機能の機能的な関連性を調べている。さらに興奮性・抑制性伝達物質と拮抗薬に対する反応や免疫組織化学的実験等を組合せて、脳幹に局在する各機能の中枢間の関係性を解析している。

肺、気道からの求心性神経の活動ならびに篩状神経節ニューロンでのイオン動態の解析

内臓(肺、心臓等)から中枢へ伝えられる求心性電気活動の発現と変調に関わるイオン機構を、パッチクランプ法を用いて電気生理学的に解析している。急性単離培養した神経節ニューロン等を用いて刺激時の活動電位の発生や電位依存性チャネル電流を記録し、さらに免疫組織化学/Western blotting法などを用いて多角的な解析を行い、興奮性を調節する機構の一端を明らかにしている。

小児から成人に至る味覚の認知過程の変化を加味した味覚感度に関する解析

2009年度より千葉県市川市歯科医師会と協力して同市教育委員会主催による市立小学校児童の味覚検査を行なっており、集計したデータを基に発達過程における味覚認知の特徴を解析している。味わう過程には味覚の他に特殊感覚や体性感覚、嗜好、記憶や運動など、多岐にわたる機能が影響する。そこで良質な食習慣の形成に役立つ児童に適した味覚検査を調べている。

三叉神経領域に出現する関連痛機序の解明

心筋梗塞や肺癌など内臓疾患では三叉神経領域にしばしば関連痛が出現することが知られている。そこで、心臓由来の一次知覚ニューロンの末梢枝から迷走神経節(nodose ganglion)を経て軸索輸送されるニューロントレーサーを神経節レベルで解析している。今後、脳幹レベルでの検討を加え、更に電気生理学的手法を用いてその特性を解析している。

新規神経変性疾患治療法の開発

アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患は高齢者に多発している。それによる社会損失は日本だけでも年間十数兆円に達し、その対策は急務である。しかし、理想的な神経変性疾患モデルはまだ開発されていないため、アルツハイマー病のメカニズムの解析と創薬は難航している。本研究では、世界で初めて成体マウス脳スライスの長期培養法の開発に成功した。現在、それを用いてアルツハイマー病三次元病態モデルを構築し、ヒト歯髄幹細胞由来物質と漢方薬剤の併用による新規アルツハイマー病治療法の創出を目指している。

学生教育

歯科臨床の場で必要な生体の機能に関わる基礎的な生理学の知識に加え日々進歩する医学・歯学研究成果を講義内容に反映して、学生が自ら習熟する支援を目指した講義・実習を行っている。特に2・3年の「生理学、生理学実習」では、生命の営みを患者さんに説明できる歯科医師を養成するために、生命機能を理解する上で基本的な概念や生理学的な捉え方・考え方を身につけることを目的とした講義、実習を目指している。また4年ではCBT試験に対応した内容を、5学年では臨床の場で遭遇する病態生理学を中心に、6年では国家試験に対応した内容と臨床科目との関連に焦点を当てた総合的な講義を行っている。

学生教育

第2学年 前期 生理学
後期 生理学
生理学実習
生命歯学探求
第3学年 前期 生理学
第4学年 後期 総合基礎歯学(生理学)
第5学年 前期・後期 生理学
第6学年 前期・後期 生理学
資料請求